睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断から治療まで
1.診察
日中の眠気、睡眠中のいびきを指摘され、外来へ診察に来られた場合、まず簡単な問診を行います。「普段の生活の中でどういった時に眠たくなるのか」や「眠気はどのくらいの強さなのか」など簡単なものです。
他にもSASに関わるような生活習慣病の診察も行います。
2.検査
検査の必要あると判断された場合、当院では夕方から入院していただき、一晩かけて睡眠の検査を行います。睡眠検査治療室は2室あり、シャワー完備で快適な明るい個室で行っております。お仕事などでお忙しい方は早朝に検査を終了し、そのまま出掛けることもできます。
ポリソムノグラフィー(PSG)
睡眠状態を経時的に、細かく測定するための検査方法で、一泊入院していただきます。
いろいろなセンサーをつけて睡眠中の脳波、眼球運動、筋肉運動、心電図、呼吸の動き、血液中の酸素飽和度などを同時に記録します。
いろいろなセンサーをつけますが、痛みを伴う検査ではありません。
この検査により、睡眠の深さや無呼吸の程度、不整脈などの、睡眠中に起こる様々な状態をコンピュータ内に記録します。
パルスオキシメーター
ポリソムノグラフィーを使った検査が困難な方には、指先で簡単に血液中の酸素の飽和度を測定できるパルスオキシメーターを使った簡単な検査方法もあります。検査機器の貸し出しにより、ご自宅での検査も可能です。
3.診断
問診、ポリソムノグラフィー検査、またはパルスオキシメーターを使った簡易検査のデータをもとに診断を行います。2~3時間で睡眠中のデータを解析できるので、退院前に検査結果を聞いて帰ることもできます。
4.治療
治療が必要と診断された場合は、nasal CPAP(鼻マスク治療器)を使った治療を開始します。
軽症の場合は、気道を広くするために顎を固定するマウスピースを装着することで改善がみられる場合もあります。作成にあたっては、専門の歯科医を御紹介します。
nasal CPAP
SASに対する治療は、nasal CPAPが最も有効で安全といわれています。
nasal CPAPは鼻に装着したマスクから空気を送り続けることによって、睡眠時のいびきや無呼吸の原因とされる気道の閉塞を防ぐことが出来ます。これにより空気が気道を押し広げるため、呼吸が止まることがありません。
※CPAP検査入院:nasal CPAP治療の前には、導入効果の確認のために再度一晩入院して頂き、処方圧設定(タイトレーション)を行います。
※nasal CPAP療法には、退院後は最低でも2ヵ月に1度の外来受診の必要があります。